私が作った五言律詩(110回目)
私が作った五言律詩(110回目) 秋興
昨日 三更の雨 (
昨日 三更雨)
門前 一夜の風 (
門前 一夜風)
≪昨日、真夜中に雨が降り、
家の前は一晩中風が吹いた。≫
秋興・・・秋に物思うこと。
三更・・・午後十一時から午前一時まで。
門前・・・家の前。
西郊 朱(あか)爛漫として
(西郊 朱爛漫)
北嶺 碧(みどり)玲瓏(れいろう)たり
(北嶺 碧玲瓏)
≪西方の郊外は、赤い花が咲き乱れ、
北方の峰は緑色が鮮やかである。≫
西郊・・・西方の郊外。
爛漫・・・花が咲き乱れる。
北嶺・・・北方の峰。
玲瓏・・・玉のように、あざやかで美しいさま。
今我 詩情を抱くも (今我 詩情抱)
心胸 昏乱窮む (心胸 昏乱窮)
≪今私は、これらの景色を見て
詩を作りたいという気持ちが湧いてきたが、
胸の中は乱れたままである。≫
詩情・・・心に感じた思いを、
詩に表したいと思う心持ち。
抱・・・心の中に持つ。
心胸・・・むねの中。
昏乱・・・状態や心が乱れる。
何を以て 吾が閔(うれ)いを慰めん
(以何 吾閔慰)
只だ是れ 沖融なるを索(もと)む
(只是 索沖融)
≪どうすれば、
わが憂いを慰めることができようか。
私はただ穏やかで、
心静かになることを求めているだけなのだ。≫
閔・・・悲しみ心配する。
只是・・・ただ~だけ。
沖融・・・穏やかで心静かなさま。
索・・・さがしもとめる。
上平声一東韻(風・瓏・窮・融)
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