訂正・絶代佳人
私が作った五言律詩(107回目) 絶代佳人
唐山 傾国在り
(唐山 傾国在)
名号は 西施と曰う
(名号 曰西施)
≪中国に絶世の美人がいた。
その名前は西施という。≫
絶代・・・絶世。
唐山・・・中国。
傾国・・・絶世の美人。
名号・・・名前。
西施・・・春秋時代の越国の美女。
越女 心(むね)を病んで矉(ひん)し
(越女 矉心病)
醜人 爾(そ)の姿を娟なりとす
(醜人 娟爾姿)
≪美人で有名な西施は胸を病んでいたために、
自分のすむ村で、いつも眉(顔)をしかめていた。
すると、同じ村に住む醜女(しこめ)が
これを見て、美しいなあと感嘆した。≫
越女・・・美女の代名詞。西施のこと。
矉・・・眉(顔)をしかめる。
娟・・・しなやかに美しい。
女性・景物などに用いる。
焉(これ)を倣(なら)いて 里巷に顰(ひそ)め
(倣焉 顰里巷)
是を見て 淒其(せいき)広ごる
(見是 広淒其)
≪醜女は、これを真似て村里で
眉(顔)をしかめて歩き回った。
これを見た村人たちの間では、ぞっとするほど
悲しく寂しい気持ちが広がった。≫
倣・・・まねる。人のした通りにする。
里巷・・・むらざと。
顰・・・眉(顔)をしかめる。
【顰に倣う】の典拠を参考にする。
淒其・・・ぞっとするほど寂しく悲しい。
艶絶 何の意か有る
(艶絶 有何意)
今に経(いた)るまで 民知らず
(経今 民不知)
≪この上なく美しいというのは、
何の意味があるのだろうか。
今に至るまで、人々には分からない。≫
艶絶・・・この上なく美しい。
有何意・・・何の意味があるのだろう。
民・・・一般の人々
上平声四支韻≪施・姿・其・知≫
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